2022年飲食トレンド紹介

「人間にとって、食は世界共通の普遍的な体験である」。これは、アメリカ料理界の発展に大きく貢献し、「料理界のアカデミー賞」にもその名を残すシェフ、ジェームズ・ビアード氏が生前残した言葉です。

食は私たちの健康だけでなく、地球環境やテクノロジーの発展など、多くの物事に影響を与えています。今日ほど、食と社会の関係が緊密な時代もないかも知れません。

飲食トレンドは常に変化していますが、2022年はコロナによりさらに早い速度で新しいトレンドが生まれてくることが予想されます。ここではその一部をご紹介します。

「サステナビリティ」が欠かせないキーワードに

昨今、環境問題に関する企業の取り組みに対して、消費者の要求が高まっています。「サステナブル」であることは、企業がビジネスを継続させる上で重要な課題です。

    • 大手メーカーがゼロ・ウェイストとサステナブル・パッケージングへ: EC企業や大手食品・飲料メーカーはゼロ・ウェイストを目指し、2022年中に持続可能な製品包装を実現するための新しい取り組みが開始されます。コカ・コーラは、「World Without Waste Initiative」の一環として、2025年までに100%リサイクル可能な包装材料を、2030年までに100%持続可能な包装材料に切り替えることを目指しています。同様に、ユニリーバは2025年までにプラスチック包装の100%を再利用可能、もしくはリサイクル可能か、堆肥化可能な設計とすることを発表しています。

    • プラントベース(植物由来)食品の増加: 環境保護と健康意識の高まりにより、動物性タンパク質に代わるプラントベース食品が飲食業界に新たな風を吹き込んでいます。経済誌『Forbes』は、ベジ・ミートハイブリッド食品や、培養肉、プラントベース乳製品(なんとポテトを使用!)を中心に、数多くのプラントベース商品が、ファーストフードやレストランで楽しめるようになると予測しています。

    • フードロス削減: 材料費の高騰や、コロナでの巣篭もりによる消費者行動の変化を受けて、2021 年には多くの飲食店がメニューの選別に取り組みました。全米レストラン協会(NRA)の「What’s Hot」レポートによると、その傾向は2022年も続く見込みです。NRAは、メニューの選別が結果として今日の温室効果ガス排出量の8%を生み出しているフードロス削減に向けた有効な解決策になるのではと推測しています。

 

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消費者はサステナビリティに真剣に取り組む企業とそうでない企業を取捨選択し始めています。企業には早急な対応が求められているようです。

さまざまなフレーバーを楽しむ商品がトレンドに

時代が変わっても、食べることが「人々の楽しみ」であることに変わりはありません。新鮮なおどろきや楽しみを与えてくれる商品が次々に登場しています。

    • アルコール入りデザート: ブージー・アイスクリーム」と言われる「お酒のアイスクリーム」がブームの予感。ブルームバーグは、この「お酒のアイスクリーム」市場は今後3年間で4億5千万ドル以上に達すると予測しています。大手アイスクリームメーカーは、このトレンドに乗るためにアルコールメーカーとの提携を開始しています。

    • ファンシー・ポテトチップス: 黒トリュフ味、キャビア風味、ヒマラヤンソルト味など、今大ヒットしているのが「ファンシー・ポテトチップス」です。定番のポテトチップスですが、味の組み合わせは無限大とあって、今もっとも人気が高まっている商品の一つといいます。ヘルシー志向が高まる中、フルーツチップスやカリフラワーチップスも大人気。各メーカーは新しいフレーバーや新食感商品を次々に発売しています。
    • RTDカクテル:RTDとはReady to Drinkの略称で、直訳すると「すぐに飲めるお酒」という意味です。かつては低価格が売りだったこのRTDカクテルも、高級感と洗練された味わいを楽しめる商品に進化し、今やアルコール市場第2位の規模に成長し、2022年には数量でウォッカを超えると予測されています。今後もこの傾向が続く中、飲食店でのRTD体験をもっと楽しんでもらえるような新しい提供方法がさまざま工夫されています。リップルズとの相性も抜群。注ぎたてのRTDを瞬時に華やかに演出し、感動と驚き、そして、パーソナルな体験を提供することが可能です。
       

消費者は普段楽しんでいるフードやドリンクにも、今までにない新しいおどろきや特別感を求めているようです。

免疫力を高めるスーパーフードに注目が

コロナ禍の2021年、免疫力を高めるスーパーフードに注目が集まりました。コロナ収束が不透明な中、今後も脚光を浴び続けることが予想されます。

    • アダプトゲン: 具体的には、アダプトゲン トゥルシー(ホーリーバジル)、アシュワガンダ、ロディオラ、高麗人参、マカ、ローズマリー、霊芝などのアダプトジェニック・ハーブや菌類です。これらは、免疫力を高めるだけでなく、人々の健康、ストレス、ホルモンバランス、エネルギー代謝を支えるために何世紀にも渡って使用されています。2022年にはサプリメントとしてだけではなく、トレイルミックスやグラノーラといった食品や飲料製品に取り入れられていく見込みです。アダプトゲンを取り扱っている著名なアメリカ企業は、今後ラテなどのドリンクに使用するパウダーとしても需要が出てくるのではと期待しています。

    • プロバイオティクスとプレバイオティクス: プロバイオティクスはヨーグルトや納豆などに含まれ、腸内環境を整えることで私たちの健康に役立つことが知られています。プレバイオティクスは、オリゴ糖など有用な腸内細菌の餌となる食品成分を摂取することによって腸内環境改善に役立ちます。健康志向が高まることで、この二つの微生物がなんとRTD市場でも注目されています。Grand View Researchによると、2019年の世界のプロバイオティクス市場が136億5000万ドルであったのに対し、2020-2027年の年間成長率は6.1%、プレバイオティクス市場は2027年に95億ドルを超えると予想されています。

 

機能性食品の需要は年々高まっています。コロナが沈静化することでいくぶんスローダウンする可能性はあるものの、継続的な健康志向の高まりによるスーパーフード需要は今後も高まっていくでしょう

進化し続ける飲食体験

飲食店のブランディングは、顧客体験のあらゆる面に影響を与えます。顧客は今まで以上に、ワクワクする体験や、エンターテイメントとしての娯楽性、自分の好みに合ったカスタマイズを求めています。それは店内飲食だけでなく、テイクアウトでも同様です。

    • テイクアウトにもブランド体験を: メニュー品目が選別されていく一方、宅配サービスや店内デジタルメニューを活用することで、消費者の好みに合わせたカスタマイズが簡単にできるようになりました。テイクアウト客が増えるにつれ、店外での飲食体験でいかに自店舗ならではの特別感を感じてもらうか(ブランド体験)が飲食店の課題となっていますが、ここでもデジタルが活用されています。例えば、店舗で流している音楽プレイリストにアクセスできるQRコードをテイクアウト客に提供し、あたかも店舗で食事をしているかのような気分を味わえるようなサービスを提供している店舗があります。店舗メニューを気軽に作ることができるミール・キットの販売や、インスタ映えを意識した自宅での即席カクテル・キットなど、宅配サービスがメジャーになったからこそ可能になった新しいサービスも増えています。

    • 外食での非日常体験: 外食機会が減るほど、一度の食事を特別なものものです。飲食店の差別化が今まで以上に求められています。趣向を凝らしたおしゃれなテラス席や個室空間、ライバルシェフ同士のコラボレーション、そこでしか手に入らない食材を使った料理、味覚だけでなく五感で味わう体験(例えばリップルズのような視覚効果も!)などなど、非日常的な体験が求められています。

    • 自動化が加速: 外食業界では継続的なオペレーション自動化が予想されています。アメリカでは50%の外食企業が2025年までにさまざまな形での自動化を導入する予定とのことです。ホワイトキャッスル、マクドナルド、チックフィレイなどの大手チェーン企業は、ドライブスルーでの自動注文からロボット調理まで、次々と試験導入を進めています。

 

Ripples Web App

デジタルツールを活用することで、顧客満足度を高める方法は増えています。ツールをうまく使いこなすことが、自店舗ならではの特別感な顧客体験を実現する鍵となっているのではないでしょうか。

左写真:リップルズのウェブアプリは、イベントやプロモーションに合わせて簡単にカスタマイズが可能です。

一期一会の付加価値で勝負、もちろん楽しむことは忘れずに!

顧客に楽しんでもらうために、飲食店は今まで以上にクリエイティブで特別な体験を試行錯誤しています。そのためには、付加価値が必須です。

外食機会が減る中、一度の食事、そして一口一口がより特別でなければなりません。そのためには、洗練された味の組み合わせに加えて、カスタマイズやサステナビリティへの配慮なども求められています。

ただ一番は楽しむこと!食事は家族や友人と大切な時間を過ごす空間です。楽しむことが何よりも大切です。